お知らせ

貴志雅之先生 会長退任のご挨拶

2022.04.10

日本アメリカ演劇学会 会員の皆様

2021年度まで会長を務められた貴志雅之先生より、会長退任のご挨拶を頂いております。


会長退任のご挨拶

日本アメリカ演劇学会前会長

貴志 雅之(大阪大学名誉教授)

日本アメリカ演劇学会 会員のみなさま、

春風の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

会員のみなさまには、常日頃より日本アメリカ演劇学会の活動にご理解、ご支援をいただき、厚く御礼申し上げます。

さて、日本アメリカ演劇学会が前身となる全国アメリカ演劇研究者会議(1984-2010)を改組・名称変更して設立されましたのが2010年8月1日。この時から5期にわたり会長を務めさせていただきましたが、本年3月末日をもちまして任期を満了し、会長を退任いたしました。任期中は、副会長の黒田絵美子さん、事務局幹事の岡本太助さん、森瑞樹さん、森本道孝さん、そして村上陽香さんの献身的なサポートと、編集委員、地区委員、監事の方々のご尽力により、なんとか会長の職務を行うことができました。そして何より、会員のみなさまの暖かいご支援、ご協力を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。

学会設立から12年、全国アメリカ演劇研究者会議設立から考えますと38年の期間、アメリカ演劇研究を志す研究者が交流を深め、先進的研究を発信・議論し、新たな研究プロジェクトを推進する場(学術団体)として、本学会は日本のアメリカ演劇研究の発展に大きな役割を果たしてきました。これまで年次大会で扱われてきたテーマは、18世紀から21世紀に至るアメリカ演劇の多岐にわたる研究を数え、これに加え、ここ数年では「ジャンルを超えるアメリカ演劇」をテーマにした小説・演劇・映画のジャンル横断型シンポジウムの企画など、領域横断的なコラボレーション共同研究を含めた、より多元的・学際的なアメリカ演劇研究を本学会活動の一つの方向性として取り組んでいます。今年33号の発刊を迎える機関誌『アメリカ演劇』は、こうした本学会会員の多様な研究成果を発表・発信する学術誌として注目されています。

相互の研究推進に加え、研究者育成の場としての本学会の担う役割はますます重要性を帯びているように思います。大学院生として学会に入会した方々が、本学会を通じて会員相互の情報交換と交流、共同研究等に取り組むなかで研鑽を積み、優れた研究を多様な機会で発表し、本学会だけでなく複数の学会を牽引する研究者となるまでに成長しています。

本学会が、ベテランから中堅、そして若き研究者が、今後もいっそう互いを高めあう場・契機を提供する学会となっていくことを心から願っております。

本年4月1日より、黒田絵美子会長、岡本太助副会長のもと、事務局幹事、評議員、運営委員にも新たな方々に加わっていただき新体制が発足しました。本学会がさらに活発な研究と研究者育成の場となり、いっそう魅力的な学術団体として発展していくことを心から願っております。

今後とも本学会の運営と活動にみなさまのお力添えをいただきますようお願い申し上げます。

長年のご支援とご協力をいただき、誠にありがとうございました。

また学会でお会いできますことを楽しみにしております。                                

2022年4月1日